カリントウの研究です。
私はカリントウが好きです。だから当然研究課題になります。
「カリントウ・かりんとう・花林糖」等と書く
カリントウ
<広辞苑>「古く外来した駄菓子。小麦粉に水・卵・膨張剤をまぜてこね。適宜に切って油で揚
げて糖蜜をからめる。」
子供の頃の駄菓子屋には、カリントウのような高級菓子はなかった。断じてカリントウは駄菓子
ではない。
<日本語大辞典>「ふくらまし粉を加えた小麦粉をこねて小指大に切り、油で揚げて砂糖みつを
まぶした駄菓子。」
駄菓子
だから違うと云っているだろー!!カリントウは駄菓子じゃないんだよ!!!
「日本語大辞典」ヨ!お前は「広辞苑」のマネをしているんじゃないのか?
大体駄菓子の駄は”つまらない”とか”粗悪なもの”と言う意味なんだぞ、カリントウはそんな菓子じ
ゃないぞ、駄の字は俺の「駄写真」の駄のように正しく使え!!
(注:新村出さんの「広辞苑」と「日本語大辞典」を、誹謗中傷しているわけではありません!)
でも、小生の住む町で一番の高級和菓子舗にはカリントウを売っていない。
カリントウは中級菓子なのかなー???
カリントウのルーツ
外来とはどこからなのかな?
中国か東南アジアか?ポルトガルと言う説もなかったっけ?
小麦粉をこねて揚げて、甘い蜜をまぶす。日本以外なら何処でもやりそうな作り方と食べ物だ。
中村屋のカリントウ
中村屋のカリントウがカリントウの中のカリントウだ。
相馬愛蔵・黒光が匿ったインド独立の志士ラス・ビハリ・ボースと「カリーライス」との関係は有名
な話だ。他にもロシア料理の「ボルシチ」や、中華菓子の「月餅」も有名だ。
でもどうして中村屋は中村屋のカリントウに熱意を傾けて創るのだろう。
直接メールを入れて調べなければならない。
東京カリントの蜜カリント
細くて薄いキツネ色でザラメの砂糖がまぶしてあり、広辞苑とは違うカリントウを蜜カリントウと
いう。普通のカリントウに砂糖をまぶした白カリントウと云うのもあるが、登場したときにこっちの
方が上品だと思い気に入った。
親が商売していて鍵っ子だった。当時は蜜カリントウも近所の菓子屋で量り売りだった。
ビニールの密封袋ではなかった。紙袋で買ってきた蜜カリントウを、弟と二人で食べていた。
そういえば、芋カリントウも蜜カリントウと同じようによく買った。
蜜カリントウは昭和30年代に登場したのだと思う。職場の近くに蜜カリントウを作っている「東
京カリント」がある。数年前までは工場も一緒だったが移転して今は事務所だけだ。蜜カリン
トウが何時頃に発売されたのかを、そのうちにその事務所に直接調査しに行こうと思っている。
忙しい!!
山の食料
山ではその時の担当の食料係の好みで、その山行の食料の傾向が決まる。
マヨネーズ・レーズン・カリントウ、これが食料担当になった時や個人山行の時の定番だった。
小生はほとんど飲まないので、酒などは無くてもよい。
山では時間の節約や落ち着いて食事をする事ができないような時に、歩きながらでも食べる食料
を行動食と云う。
ベスト行動食のカリントウ。甘くて元気が出る。カロリーが高くて元気が出る。でも少しガサバル
(だから本当はベストではない)、でも食料担当になったら断固カリントウを食料リストにいれる。
荷物が多くてどうしてもザックに入れられるスペースが無いときは、バラバラにツブして粉状にし
てしまえば苦にならずに入る。
食べる時はカリカリではなく、サクサクで少し物足りないが・・・
昔、ニュージーランドのマウント・クックに登った。2回目のアタックで10数時間かけて登頂に成功
した。サングラスの下から涙が流れて止まらなかった。
その時もポリ袋から赤道を越えて運んだ中村屋のカリントウを摘み出し、それをかじりながら四
方の山々を眺めそして写真を撮った。
黒砂糖と白砂糖
カリントウにまぶしてある黒砂糖は白砂糖とは違う!
白砂糖と違い黒砂糖はミネラルの宝庫だ。白砂糖にはほとんどないカルシウム・マグネシウム・
カリウムを豊富に含む。
暑い沖縄のお年寄りは、夏バテなどと云う言葉は知らないと云う。黒砂糖を食べてお茶を飲んで
いれば、夏負けなどしないそうだ。私はマネをしている。
色々なカリントウ
ソバカリントウ、いもかりんとう(いもけんぴ)、隠岐のいかすみカリントウ、・・・・
日本全国にはごのくらいのカリントウがあるのか?これも研究課題だ
カリントウの情報が何かあればお知らせ下さい。皆さんのご協力で研究が進みます。
そうそう!松本の名門久星カリントウも、塩尻に単身赴任している時にはたまに食べていた。蜜
カリントウに似たカリントウだ。
(左)東京カリントの蜜カリントウ (右)中村屋のカリントウ
昔はもっと細かったような気がする 明らかにお上品に小さくなった、
つまり大きさが近づいてきた。
これだけカリントウ・かりんとうと言っていると、誕生日に「ハイ、お祝いのカリントウ」と
カリントウだけを渡されると言う弊害も発生する。その上、父の日にまでだ。
しかも近くのスーパーで買ってきた、只のカリントウを・・・・・
その後その−1
東京カリントさんを訪ねた。取締役の長田さんのお話を聞くことができた。
色々と説明をしていただき、カリントウの資料もいただいた。
それには小生のカリントウ研究がもう終わってしまうぐらい、データが詰まっていた。
☆菓子そのものは遣隋使にまでさかのぼる。カリントウのルーツは江戸中期の小麦粉をコ
ネて棒状にし、油揚げしたものらしい。
☆元祖カリントウは明治8年の浅草仲見世の「飯田屋」。
☆江戸時代に幕府は「白砂糖」を上菓子にのみ使用を許可し、その他の駄菓子には「黒砂
糖」のみの使用を認めた。
この辺からカリントウが駄菓子にされたわけらしい。けしからん!!
☆東京カリントはシェアがトップのカリントウメーカー。
☆蜜カリントウは正式には「蜂蜜カリントウ」という。
データ
1)カリントウはドーナツ等と一緒に油菓子に分類される。
2)カリントウは菓子総市場規模の0.8%で180億円の生産額、255億円の小売額。
3)カリントウは12月がトップシーズンで8月がボトムシーズン。
4)カリントウの消費年齢は30−49歳が60%。
5)カリントウの好きな地域は東日本で、トップは北海道の27億円(800円/世帯)。
6)カリントウのメーカー数は全国油菓工業組合加入社で約100企業。
その後その−2
中村屋さんからも「中村屋のカリントウの出発点」の返信メールを頂いた。
☆中村屋のカリントウの出発点は。(メールより)
”さて、中村屋でかりんとうが販売されるようになったのは、創業者相馬愛蔵氏を同郷の恩
師として慕って入社した、パン職人のある一言からでした。「中村屋ならではの新しいかり
んとうを作ってみたい!」と、相談を受けた相馬愛蔵氏は「それならば研究して“これは絶品
!”というものを作ってみなさい」といい、職人は仕事が終わるとすぐ自宅へ飛んで帰り、夫
婦そろって寝る間も惜しみながらの研究が始まりました。
中村屋に入って教わった発酵技術を生かし、サクッとしたソフトな歯ざわりと口どけのよい
センターづくりに約1年を費やし、また味付けも贅を尽くしたものではなく、自然な作物であ
る沖縄の黒砂糖にしたところ、油であげたセンターによくマッチし、ようやく自信のある「か
りんとう」が出来上がりました。早速、大旦那である相馬愛蔵氏のところへ持っていき、試
食をお願いすると、「これは良く出来た“名物”になるだろう。これからも最上級の“かりんと
う”をつくるように心がけなさい。」と職人は激励されたという事です。このようにして中村屋
では独特の技術と創意で、黒砂糖特有の風味とコクを出し、サクッとした歯ざわりの高級菓
子に仕立て、大正8年に発売しました。”
それ見てみろ!!中村屋では高級菓子と言っているじゃないか。
いずれにしても今の中村屋のカリントウがあるのは相馬愛蔵の度量と、パン職人の根性の
賜物でありました。
最近のカリントウ事情
最近、かじるとシンナリと柔らかいカリントウと称する物が出まわっている。それなりに変った
雰囲気で黒糖の味が味わえる。でもそれをカリントウと呼ぶのは許せない!!カリッとしない
カリントウなど有りはしない。「シットリトウ」とでもすべきだ。
疑問??
1)カリントかカリントウなのか?
東京カリントの社名は正式には「カリント」と最後に「ウ」が付いていないことに気がつい
た。その商品名は「かりんとう」なのにどうしてだろう?
以前、私の習慣で「ウ」を付けてネット検索をしていたのでヒットしなかったわけです。このページ
の東京カリントさんの名称のウは削除しました。駄菓子ではないカリントウにとってこの呼び名の
混乱は如何なものか・・・・
2)カリジントウ??
私が通勤に使っている西武池袋線の保谷駅とひばりヶ丘駅の途中の車窓から「カリジントウ」と
書いた大きな看板が見えてくる。カリントウ研究人としてはオ!!これはカリントウの何か変わった
バリエーションに違いない、とピンときた。しかし10数年間気にしながら確認を怠っていた。
昨年の休日に保谷駅を下りそのお店に向かった。そこは大手かりんとうメーカーの旭製菓だった。
”矢張りカリントウ屋さんだったか。気が付かない。店に入るカリントウばかりで「カリジントウ」が見当
たらない。まだ気が付かない。お店の人に小さな声で「カリジントウはどこですか?」と聞く。そこに
在るだけです。と言われて、ハット気が付いた。
何事も疑問に感じたら直ぐに確認しなければいけませんネ。
−達筆でかな漢字混ざりで書かれているので・・・−
'04/02/01
−「かりんとうは駄菓子じゃない会」 (仮称!)
510さん サイトの
下に「かりんとう展示会」を転載させて頂きました。
(21/07/02追加)